新型コロナウイルスの世界的流行によって、今や生活の一部になったマスク。その着用を巡るトラブルで、2020年9月に釧路空港から関西空港に向かうピーチ・アビエーション機が新潟空港に臨時着陸した事件を覚えているだろうか。機内で客室乗務員の業務を妨害したとして飛行機を降ろされ、威力業務妨害などの罪に問われた奥野淳也被告(36)を当時取材した私は、大阪地裁で開かれている公判の傍聴を続けてきた。「ウィズコロナ」に向けた社会のあり方が議論される中で開かれた、異例の法廷をリポ▽証言台に設置された3面の巨大アクリル板
私はピーチ機が臨時着陸した5日後、被告にリモートでインタビューを行い、機内での一部始終を明らかにする記事をネットに公開した。
「マスクしないと飛行機は乗れないの? 降ろされた男性、ピーチ機上で経験した一部始終を語る」
https://nordot.app/678494451161810017
取材の際には「ここまで大ごとになると思っていなかった」と語っていた被告は、捜査段階では黙秘を続けたという。なぜそこまでマスクを目の敵にしているのか。法廷で何を語るのかが気になり、傍聴を始めた。
大阪地裁で初公判が開かれたのは今年5月17日。感染力の高いオミクロン株による第6波の流行が徐々に落ち着き、政府内ではマスク着用方針緩和に向けた議論が交わされていた。だが、奥野被告に賛同する人が詰めかける可能性を警戒したのか、裁判所は異例の厳戒態勢を敷いた。
開廷前、傍聴券の列に並ぶ人々に地裁職員が「不織布マスクの着用をお願いします」と呼びかける。裁判所内ではマスク着用を求めるプラカードを掲げ、傍聴人の口元を一人ずつ確認した。
公判が開かれた大法廷の傍聴席は1席ずつ空ける形に制限され、証言台を囲うように高さ2メートルほどのアクリル板3枚が設置された。
傍聴人や裁判官、検察官、弁護人らがマスクを身に着ける中、グレーのスーツに身を包んだノーマスク姿の被告が姿を現した。ートする。(共同通信=助川尭史)
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